土地1筆及び建物1棟に,債権額1000万円とする抵当権設定登記手続の代理業務を受任し,面識のない登記義務者(設定者)の本人確認情報の作成,登記原因証明情報(金銭消
費貸借契約書等)の作成または確認及び登記申請の代理をした場合。
【コメント】
この設例は,債権者が債権を担保するために抵当権設定登記を行う際に,所有者が登記識別情報又は登記済証を紛失等の理由により提供できず,代理人である司法書士が作成した本
人確認情報を用いて登記を完了させた場合です。
一戸建ての場合でも,土地が数筆あるな ど,事案によって報酬は異なります。
なお,報酬のほかに登録免許税(登記を受ける際に納める税金)、登記事項調査費などの費用が発生します。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
取締役会設置会社である株式会社の本店を管轄登記所の区域内で移転した場合の本店移転 登記手続の代理業務を受任し,株主総会議事録,取締役会議事録等の全ての書類を作成し,
登記申請の代理をした場合。
【コメント】
株式会社の本店を登記所の管轄区域内で移転した場合の本店移転登記(例えば本店を富良野市から旭川市へ移転など)を司法書士に依頼した場合の報酬額です。
本店を現在の管轄区域内で移す場合でも,株主総会で定款を変更する必要がある場合があります。
取締役会が設置されている会社の場合,具体的な移転場所や移転日については取締役会で決めることになるので各議事録の作成が必要です。
また,司法書士報酬のほか,登録免許税(登記を受ける際に納める税金)等の費用が別途 必要です。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
成年被後見人の居住用不動産の処分の許可の申立のため家庭裁判所に提出する書類の作成 業務を受任し,申立書の作成をした場合。
【コメント】
成年後見人が成年被後見人の居住用の不動産(現在は居住していなくても,最後に居住し ていた不動産は居住用不動産に該当します。)の売却,賃貸,賃貸借の解除又は抵当権の設
定等を行うには,家庭裁判所の許可が必要です。
「後見」のほかに「保佐」「補助」の場合 にも必要です。
司法書士報酬のほかに,申立には収入印紙及び切手を裁判所に予納しなければなりません。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい
建築工事請負代金1000万円の残金500万円を請求するため,地方裁判所に提出する 書類の作成業務を受任し,請負代金請求訴訟の訴状を作成した場合。
(ただし,準備書面, 証拠説明書等の作成は含まない。)
【コメント】
訴訟は,訴状の裁判所への提出,相手方への訴状送達,口頭弁論期日の指定,口頭弁論, 証拠調べ,判決等の流れで進みますが,判決に至るまでのそれぞれの段階で準備書面,証拠
申立書,証拠説明書等を提出し,また相手方の対応次第では他の様々な申立を要する場合が あります。
上記の金額は第1段階である裁判所に提出する訴状の作成報酬のみです。
訴訟進行に 沿って作成する準備書面等の報酬は含まれません。
なお,通常訴訟以外にも,支払督促手続き,民事調停申立,家事審判調停申立,起訴前の 和解申立等々の裁判所に提出する書類作成は,全て司法書士の業務です。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
個人民事再生事件の申立書類の作成業務を受任し,各消費者金融会社に取引記録の開示を 求め,各申立書類を作成した場合。(ただし,住宅ローンはなく,残借金400万円を返済
するのは困難だが,元金が減額されれば分割返済も可能である。)
【コメント】
残借金400万円のうち一定の金額について分割して返済を行う計画を立て,この返済計 画が裁判所に認められれば,残りの借金は免除されるという個人民事再生手続きでは,減額
された元金を原則として3年間で返済していくことになります。
上記は個人民事再生手続開始申立書の作成報酬ですが,事案の複雑さや要する労力・時間 等により,その報酬金額は異なります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
個人破産免責事件の申立書類の作成業務を受任し,各消費者金融会社に取引記録の開示を 求め,各申立書類を作成した場合。
【コメント】
任意整理(分割弁済の和解など)や個人民事再生の方法によって将来の収入で借金の返済 が可能な場合と異なり,借金の額が多すぎて返済が困難な場合は,裁判所に自己破産申立,
同時に免責許可申立を行い,免責許可決定を受ければ借金が全て免除されます。
上記は破産申立書(個人債務者が自己破産を申し立てた場合は原則として免責許可申立を したものとみなされます。)の作成報酬ですが,事案の複雑さや要する労力・時間等によ
り,その報酬金額は異なります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
建物賃貸借契約において1か月金10万円の賃料を10か月分滞納しているのでその建物 の明渡を求めるため,地方裁判所に提出する書類の作成業務を受任し,建物明渡請求訴訟の
訴状を作成した場合。
【コメント】
上記は建物明渡請求訴訟の訴状の作成報酬ですが,事案の複雑さや要する労力・時間等に より,その報酬金額は異なります。
また,賃貸人は,裁判所に本訴訟の書類を提出する前 に,賃借人に対し,あらかじめ内容証明郵便で,滞納賃料の支払いと一定期日までにその支 払いがないときには賃貸借契約を解除する旨を通知することが通常ですが,その通知書の作
成報酬は含まれていません。
詳詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
建物明渡訴訟の勝訴判決に基づき明渡しを求めるため,地方裁判所に提出する書類の作成 業務を受任し,建物明渡しの強制執行申立の書類を作成した場合。
【コメント】
建物明渡訴訟に勝訴した場合,賃借人が任意に明け渡せばよいのですが,それをしない場 合には,あらためて執行裁判所に強制執行の申立をすることを要します。
強制執行は訴訟と は別個の手続きです。
上記は強制執行申立書の作成報酬ですが,事案の複雑さや要する労力・時間等により,そ の報酬金額は異なります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
貸付金100万円の返還請求事件を簡易裁判所における訴訟代理人として受任し,通常訴 訟を提起し,勝訴判決を得た場合。
【コメント】
訴訟を提起する前に内容証明郵便で相手方に貸金の返還請求をすることがありますが,そ の報酬は,着手金には含まれていない場合があります。
着手金とは,司法書士に事件を委任した際に支払う金員です。
着手金は,業務の着手に対 する報酬であると考えられていることから,依頼された業務が不成功に終わったとしても返 還されません。
成功報酬とは,勝訴した場合又は任意に貸付金が回収できた場合などに,司法書士に支払 う金員です。
成功報酬の額は,回収した金額,事案の複雑さ,裁判や回収に要した労力等を 考慮して定めています。
そのほか,遠隔地への出張等の場合には,日当や旅費が発生する場合があります。
着手金や報酬等の他に裁判所に納める印紙や切手代等の実費が別途必要になります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
貸付金100万円の返還請求事件を簡易裁判所における訴訟代理人として受任し,支払督 促の申立を行い,仮執行宣言付支払督促が確定した場合。
※ 支払督促手続きとは金銭等の支払いを求める手続きで,裁判所は,書面審査のみで 債務者の言い分を聞かずに支払督促を発し,債務者はこれに対して異議を申し立てる
ことができます。
債務者が支払督促の送達を受けた後,2週間以内に異議を申し立てな いときは,裁判所は仮執行宣言を付して,これによって,執行(強制的に取り立てるこ
と)をすることができます。
【コメント】
支払督促の申立の前に内容証明郵便で相手方に貸金の返還請求をすることがありますが, その報酬は,着手金には含まれていない場合があります。
着手金,成功報酬等の意味については,前問のコメントを参照してください。
着手金や報酬等の他に裁判所に納める印紙や切手代等の実費が別途必要になります。
また,相手方からの異議申立により通常の訴訟に移行した場合には,報酬等も異なってく る場合がありますので,ご注意ください。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
貸付金50万円の返還請求事件を簡易裁判所における訴訟代理人として受任し,少額訴訟 を提起し,勝訴判決を得た場合。
※ 少額訴訟とは,60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限り利用することができ, 1回の期日審理で判決をすることを原則とし,判決に対する控訴ができない特別な訴訟手続きです。
【コメント】
訴訟を提起する前に内容証明郵便で相手方に貸金の返還請求をすることがありますが,そ の報酬は,着手金には含まれていない場合があります。
着手金,成功報酬等の意味については,前記「貸金返還請求事件」のコメントを参照し てください。
着手金や報酬等の他に裁判所に納める印紙や切手代等の実費が別途必要になります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
80万円の賃料滞納(月10万円)を理由とする建物明渡請求事件を簡易裁判所における 訴訟代理人として受任し,通常訴訟を提起し,勝訴判決を得た場合。
【コメント】
多くの場合,裁判所に訴訟を提起する前に,あらかじめ内容証明郵便で相手方に賃料の支 払いと期日までに支払いがない場合には賃貸借契約を解除する旨の通知を出しますが,その
報酬は,着手金の中に含まれていない場合があります。
着手金,成功報酬等の意味については,前記「貸金返還請求事件」のコメントを参照してください。
そのほか,遠隔地への出張等の場合には,日当や旅費が発生する場合があります。
着手金や報酬等の他に裁判所に納める印紙や切手代等の実費が別途必要になります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
債権者5社,債務額各50万円の債務整理事件を受任し,任意交渉の結果,分割払いの和 解が成立した場合。
【コメント】
この設例のような事件において司法書士は,債務者を代理して債務弁済の交渉をします。
また,借入金利が利息制限法を超えていた場合には,これを利息制限法に定める利率に引き 直した上で,その交渉をすることになります。
着手金,成功報酬等の意味については,前記「貸金返還請求事件」のコメントを参照し てください。
そのほか,遠隔地への出張等の場合には,日当や旅費が発生する場合があります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
消費者金融会社1社,債務額50万円の債務整理事件を受任し,過払金50万円の返還を 求める不当利得返還請求訴訟を提起した結果,50万円を支払う旨の和解が成立し,同額を
回収した場合。
【コメント】
依頼者と消費者金融会社との取引を利息制限法所定の利率に引き直した結果,過払金が発 生している場合には,消費者金融会社を相手として過払金返還訴訟を提起することになります。
着手金,成功報酬等の意味については,前記「貸金返還請求事件」のコメントを参照し てください。
そのほか,遠隔地への出張等の場合には,日当や旅費が発生する場合があります。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
遺言公正証書の原案を起案し,公証人役場へ同行し,立会証人となり,公正証書遺言作成 嘱託のサポートをした場合。
【コメント】
この設例においては,作成する原案の複雑さの程度,原案を作成するまでに要した相談の 回数や時間,証人となることなどが考慮されています。
なお,この設例においては,遺言執行者としての報酬は含まれていません。
詳細については,電話かメールでお問い合わせご相談下さい。
このページ内容の一部は日本司法書士会連合会HPより引用しています